イギリスのお土産屋さんでも色々見る有名な赤いポスト。日本のポストが赤いのもイギリスから郵政システムを取り入れたからだし、日本から来た私達にも親しみのあるポストですよね。
そんなポストを街中で見た時に、ちょっと興味深くなることを語ろう!
イギリスのポストってどんな感じ?
ポストってイギリス英語でなんて言う?
イギリスでポストは「Letter Box」が主流で「Post Box」とも言いますね。
ちなみに、「Mail Box」は、郵便受けの方かな。
実は〜それでは通じないかもしれない?!
というのも〜こだわりの強いイギリスの方々。ポストも形によって呼び名が異るんです!
円柱のもの 「Pillar Box」 | |
壁に付いたの 「Wall Box」 | |
箱になっているもの 「Lamp Box」 |
全部一緒で良くない?!って思うんですけどね。
若い人は分けていうことはほとんどないと思いますが、こだわりがある人は変えて言ってるかも。
近所のポストをGoogle Mapで検索しようとしたら、Post Boxで出てこなくて、Pillar Boxにしたら出たってこともあったりします。なかなかこだわりが強い。。
ポストの歴史(なぜ赤くなった?)
実は〜1852年に導入された時、緑色のポストだったんですって。
設置してすぐに、田舎で木々に紛れて見つけられないってことで苦情が相次ぎ、1874年にはイギリスのシンボル的なカラーである赤になったらしい。もうちょっと初めから考えよって感じですよね😅
今でも緑色のポストが残っていたりします。
これは、復刻版ですが1866年に製造されたものを郵政設立500年を記念して設置されていて、実際には口が閉じられていて使うことはできません。Windsorのお城の近くにもあったりするので、昔のを発見するのも面白い探検かも
大抵は、記念に残しているものですが、実際に使っているものもあるらしいです。
街中で見つけてみて下さいね。
ポストについているマークって何?
ポストについているマークは設置時に在位している王のマークです。つまり、VRって付いているのは全て19世紀に造られたポスト!!
王の在位期間 | 王の名前 | マーク |
1852-1901 | ヴィクトリア | |
1901-1910 | エドワード7世 | |
1910-1936 | ジョージ5世 | |
1936 | エドワード8世 | |
1936-1952 | ジョージ6世 | |
1952-2022 | エリザベス2世 | |
2022- | チャールズ3世 | CⅢR |
街角にある感じはこんな感じ。
何もマークが書いていないポストもある?
「Anonymous Box(匿名ボックス)」と言って何もマークがないものもあります。
これらのポストは、ヴィクトリア朝時代にマークが付けられるルールがしっかりしていない時に作られたもの。
ロンドンに多いですが、数年間しか作られていない為、案外貴重なポストだったりします。
この写真のポストは数ヶ月後に、表の蓋が壊れてE2Rの文字があるものに取り替えられました。
つまり〜なんと筒の部分はヴィクトリア時代のE2Rも存在してるんです。イギリスのリペアして何年も使う文化が根付いている証拠ですね。
他の連合国はどんな感じ?
スコットランドのポスト
スコットランドは王の印はなくセントアンドリュース王冠が主流。
ヴィクトリア女王からジョージ6世までのは見つけることができるんですが、エリザベス2世のは見つけることが出来ないんです。在位が長いので、大量にあるはずなのに。。。
これには理由があって、改めて国が違うんだな〜って思わせられる現実。
それも、エリザベス2世が「2世」であることが関わってるんです。
エリザベス2世ってことは、エリザベス1世がいるのですが、エリザベス1世が女王だった時は、イングランドとスコットランドが統一した王を持っていない時代で、エリザベス1世はイングランド王でありスコットランド王にはなったことがないということなんです。
ってことで、スコットランドでは、エリザベス2世であるのはおかしい、「Ⅱ」を取るべきだ!と言う論争が起きて、EⅡRの使用をやめたんですって。
ん~ポストひとつだけど難しい歴史が絡んでたりするのが興味深い。
アイルランドのポスト
元イギリス領時代があるアイルランドのポストは、イギリスが統治していた時期にできたポストがそのまま使われていたりするので、ジョージ5世のまではマークを見つけることができるかもしれません。
ただ、色だけは1922年のアイルランド独立後に全てアイルランドの明るい緑色に塗り替えられています。また、独立以降に設置されたものは、アイルランドの郵便サービス(The Post & Telegraphs)を意味するマークの「P&T」が書かれています。(左の写真)
P&T は、アイルランド語の「 Puist agus Telegrafa」の略だそうです。
イギリスもこの明るい緑だったら、苦情が来なくてそのまま緑が採用され続けたのかな〜って思うくらい、この緑は目立つし見つけやすいですよね。
イギリス領地は、他にもいろんな国であるので昔イギリス領だったけど今は違うって国でも、見たことあるデザインのポストに出会えちゃうかも。
ちなみに、イギリス領のジャージー島は、色が青かったりするらしい。見に行ってみたいわ。
実は色々なタイプのポスト達
お土産屋さんでも見る赤いポストですが、実は赤だけではなかったり〜お土産屋さんにあるタイプのポストだけじゃないんです。ってことで色々見つけたのを載せてます。
色が違うポスト達
基本は赤ですが、実は用途違いや行事毎や記念のために違う色のポストがちらほら。違う色のポストを見つけたときに、説明があることが多く、見てみると興味深い理由が書いてあったりします。
オリンピック記念のポスト
金色に塗られたポスト。ちょっと赤いのが見え隠れしていますが、これは、2012年のロンドンオリンピック時に金メダルに輝いた選手の出身地にあるポストが金メダルを記念して金色に塗られています。
29の競技で63名の選手が金メダルを取っているので、案外見ることが出来たりします。
Covid 19の記念ポスト
パンデミックの時に活躍してくれたNHSの皆さんに感謝を伝えるために塗られたポストですね。
イギリスの感染者が一番運ばれたロンドン中心の病院の裏にあります。ちょうど緊急受付の入り口にあるバス停付近にあります。
ジョージ5世の戴冠式の記念ポスト
ジョージ5世の戴冠式への特別な航空便を運んだことへの記念ポストで紺色になっています。この時代に航空便が確立されて、航空便用に使われていました。今は使用禁止になっていて、隣に赤いポストが設置されています。
プラチナムジュビリーの記念ポスト
2022年のエリザベス2世女王の在位75年をお祝いするプラチナムジュビリーのためにイメージカラーの紫とプラチナ色に塗り替えられたポストです。
女王の住まいがあるウィンザー城の近くのポストが塗り替えられていました。もしかしたら、通っていた時に、女王も見かけられたかもしれないですね。
形が違うポスト達
切符の自動販売機がついたポスト
珍しいエドワード8世のポストなのですが、その横に切符の販売機がついています。値段も変わってしまって、色んな種類が出るようになって使われることがないのですが、今でもその形を残しています。
ヴィクトリア時代のポスト
これは、緑色の時代から作られていた形のポストです。六角形なのが特徴なんです。
夏目漱石がロンドンに留学していた時代に住んでいた家の前付近に設置されているからです。留学していた時代には、もちろん設置されていて、その時代は手紙が主な通信手段だったので、もしかしたら夏目漱石もこのポストを使ったかも?なんて思うと、私達にとっても貴重なポストかな。
壁に同化したポスト
ロンドンのケンジントン付近で見つけた壁に同化してしまっているポスト。ここのビルが建て替えになったらどうなるんだろう??って思っちゃうよね。これもWall Boxなのかな。
帽子を被っているポスト達
地域の編み物クラブの人達や個人がよくポストに帽子を被せて、季節行事やイベントを模していたり、宣伝をしていたり、すごく可愛く装飾しているのもイギリスのポストの特徴なんですよね。
戴冠式の時や、クリスマスなどがあると装飾されたりするので、街中でポストに目をやってみてください。可愛い帽子を見ることが出来ます。
英国郵便博物館(The Postal Museum)にゴー!
興味深くなってきましたか?
もっと知りたくなった方は、郵便のミュージアムへgo!
もっともっと興味深い展示が多くありますよ。昔の郵便のしかたから、現在の新しいチャールズ3世王の切手の原盤、自分のシルエットで切手を作れちゃう場所まで色んなことが出来ます。
場所:15-20 Phoenix Pl, London WC1X 0DA
営業時間:10:00 – 17:00 月曜日定休日(※スクールホリデーはオープン)
値段:大人:£17.60、16~25歳:£12.20、3-15歳:£10 ※2024年12月現在
Disabled Person :割引あり
National Art Pass:半額
付属してるMail Railに乗れない場合:割引あり
URL:https://www.postalmuseum.org
なんとこの博物館、普通では知ることがないようなロンドンの秘密も色々知れちゃう博物館です。
実は〜ロンドンには郵便専用の地下鉄(Mail Rail)があってロンドンの中心部は車ではなく特別な地下鉄で運んでいたんですって。2000年に入ってから廃止されたのですが、今では見学用の地下鉄として運んでいた線路を通ることが出来ちゃうんです。
これは、博物館チケットに入っているので、博物館の迎えのビルで乗ることが出来ます。
線路内では、歴史やどうやって使っていたかなどの説明もあったりして、飽きない演出で楽しい時間でした。
地方からの郵便の場合は、電車の中で仕分けをしていたそうで、地下の施設では、実際に電車の中での仕分け作業体験ができたり、歴史を感じることが出来ます。
子供も大人も楽しい博物館なので、ぜひ行ってみてください。
※細かい説明は、また別の投稿でしたいと思います。
さいごに。
国際便を出すことが多い駐在だと、いつも郵便局に行って国際便を出すのでポストはただ通り過ぎるだけですが、ぜひ、観察してみて下さい。
また深いイギリスが見えてきますよ😉
参考にしたサイト https://lbsg.org
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